職人技「見える化」で生産性向上 南武・野村伯英社長 (1/2ページ)


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 製鉄所向けの特殊なジョイントなどを製造する南武は、ニッチトップ企業として、積極的な海外展開によって世界市場でシェアを伸ばしている。職人技を「見える化」するソフトウエアも独自に開発、販売し、製造現場の生産性向上にも貢献する。野村伯英社長は「グローバル体制を強化し、世界市場の成長を取り込む」と意気込んでいる。

 --主力製品は

 「『ロータリージョイント』と『金型用油圧シリンダー』だ。ロータリージョイントは主に製鉄の最終工程である鋼板の巻き取りで使われ、巻き取り機の主軸の拡縮とグリースなどの供給に用いる。他にシールド堀進機、高速道路の送排風機にも採用されている。金型用油圧シリンダーは、主に自動車のエンジン製造を中心とするアルミ鋳造品分野で使われている」

 --製品の強みは

 「両製品とも受注、設計、製造を一貫して行い、ノウハウが蓄積されている。製鉄の熱間圧延用ロータリージョイントは国内で90%以上、海外では15%のシェアがある。日系自動車メーカー向けアルミダイカスト金型用油圧シリンダーは国内70%、海外は20%を占める」

 --果敢に海外に出ている

 「2001年に米国に進出、地元企業と技術供与契約を結び、営業とメンテナンスの北米拠点とした。翌年タイに現地法人を設立して部品生産を始め、後に東南アジアとインドへの輸出拠点とした。10年には中国にも生産拠点を設けた。今年中にインドでもメンテナンス部品の供給サービスを始める」

 --ソフトも開発している

 「社内の実証実験データ解析用に分析ツールを開発している。そのノウハウを活用して15年に発売したのが『キャスト・ビュワー』だ。細かなベテラン職人の勘の世界を数値で『見える化』した。機能を絞り込み、簡単に操作できる。導入により鋳造不良を減らすことにつながり、生産性が向上する」

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