プラごみ対策で投資先選別 世界最大級の年金基金が新方針を決定 (1/2ページ)

米ハワイの海岸に打ち上げられたさまざまなプラスチックごみ。関連する企業も多種多様だ(米海洋大気局提供)
米ハワイの海岸に打ち上げられたさまざまなプラスチックごみ。関連する企業も多種多様だ(米海洋大気局提供)【拡大】

 世界最大級の年金ファンドのノルウェー政府年金基金は、投資先を選別するため、深刻化するプラスチックごみの汚染対策など海の環境保全の取り組み強化と、関連情報の開示を企業に求める新たな方針を決めた。基金を運用するノルウェー中央銀行インベストメント・マネジメント関係者が23日までに明らかにした。

 環境や社会問題に配慮した「ESG投資」推進の一環。漁業資源の乱獲防止なども求めており、対応状況の情報を投資先の決定に生かす。基金は日本にも投資しており、プラスチックの生産・販売や漁業に関わる企業の資金調達に影響しそうだ。

 新方針は投資先となる企業の取締役会向け。海洋保全を企業戦略の中で位置付けることや、海の環境悪化をリスク管理の対象に加えること、自社の活動など関連情報を開示することなどが基本的な要求項目だ。

 計20の具体策も示した。各企業に、自社の活動が海の環境に与える影響を調査し、サプライチェーン全体を通じて汚染低減に取り組むことを要請。プラスチック関連企業にはリサイクル推進を求めた。食品や飲料メーカーに、使用済みプラスチック容器による環境影響の緩和策などの開示を促している。

 海の魚を扱う企業に対しては、違法漁業、乱獲、資源量が少ない種の漁獲が排除されていることを継続的に確認するよう要請した。実施した対策を株主や社会に公表することも求めた。

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