支払い遅延などが表面化し、会員約3万人、債権額約1000億円を抱えて破産した通販のケフィア事業振興会(東京都、以下ケフィア)の余波が、ケフィアグループや関係会社に広がりをみせている。(東京商工リサーチ特別レポート)
ケフィアは破産申立書には、「今後、ケフィアグループの事業活動は停滞する」と記載されている。しかし、ケフィアの2018年6月末時点の資産簿価約484億円のうち、少なくとも約330億円以上が貸付金などの名目でケフィアグループや関係会社に流出していた。
ケフィアの破産申立書には、今年の6月20日時点のケフィアグループ45社の会社概要一覧が記載されている。
ケフィアが破産申請したことで、ケフィアグループは厳しい状況に陥っている。破産申立書に記載されたケフィアグループは、ほし柿の生産を手掛けていたかぶちゃんほし柿加工センター(東京都)や、柿畑の管理育成を手掛けていたかぶちゃん市田柿の里(東京都)など、ケフィアの象徴でもある「柿」に関連する企業が含まれている。
◆出資勧誘を否定したかぶちゃん農園の責任
破産申立書のケフィアグループに含まれていないかぶちゃん農園(長野県)の鏑木武弥社長はケフィアの破産直後、メディアのインタビューに応じた。そこでは「かぶちゃん農園として、事業へ投資を募るなどの勧誘はしていない」と断言し、事業継続に意欲をみせた。