トヨタに危機感 ソフトバンクと提携、サービス分野強化へ本腰 「競争の相手、大きく変化」 (1/2ページ)

提携記者会見で握手するトヨタ自動車の豊田章男社長(右から2人目)とソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(左から2人目)。右端はトヨタ自動車の友山茂樹副社長、左端はソフトバンクの宮川潤一副社長=4日午後、東京都千代田区
提携記者会見で握手するトヨタ自動車の豊田章男社長(右から2人目)とソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(左から2人目)。右端はトヨタ自動車の友山茂樹副社長、左端はソフトバンクの宮川潤一副社長=4日午後、東京都千代田区【拡大】

 業種が全く異なるトヨタ自動車とソフトバンクが手を組んだのは、移動サービス市場の拡大が確実視されているからだ。ライドシェア(相乗り)などのサービスが普及すれば、トヨタもこれまでのように自動車を造って売るというビジネスだけでは立ちゆかなくなる懸念がある。危機感を抱くトヨタの豊田章男社長はサービス事業への本格参入に向け準備を進めてきた。もっとも、有望な新事業をめぐる世界的な競争の激化は必至で、日本を代表する両企業の強力な連合とはいえ、勝ち残れる保証はない。

 トヨタ自動車とソフトバンクは4日、新しい移動サービスの構築に向けて提携すると発表した。共同出資会社を設立し、年度内をめどに事業を開始。将来的にはトヨタの自動運転車両を使ったライドシェア(相乗り)や移動コンビニ、医療、オフィス空間提供などのサービスを行い、海外展開も視野に入れる。移動サービスは世界的に市場拡大が見込まれており、さまざまな業種の有力企業が参入し、合従連衡が活発化している。

 「未来のモビリティー(乗り物)社会を現実のものとするための提携だと思っている」

 4日、東京都内で開かれた記者会見に登壇した豊田社長は、ソフトバンクとの協業の狙いをこう話した。豊田氏がこれまでも繰り返してきた「トヨタは自動車メーカーではなく、モビリティーサービスを提供する会社になる」との方針のもと、選んだ最適なパートナーがソフトバンクだったというわけだ。

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