競合相手から調達も 電機各社、“合従連衡”で生き残りを模索 (1/2ページ)

東芝メモリ四日市工場で完成した新棟の内部。国内電機各社は事業構造の転換を急いでいる(東芝メモリ提供)
東芝メモリ四日市工場で完成した新棟の内部。国内電機各社は事業構造の転換を急いでいる(東芝メモリ提供)【拡大】

 国内電機各社が復活してきた。各社は多角化の失敗や中国、韓国メーカーとの激しい価格競争で2008年のリーマン・ショック後に存亡の危機に直面したが、不採算事業から撤退し、赤字体質を脱しつつある。ただし海外勢に比べて稼ぐ力はまだ弱く、人口減少で母国である日本の市場が縮小するという国内企業特有の逆風にもさらされており、合従連衡で生き残りを模索する動きも鮮明になっている。

 電機各社は00年代初頭、薄型テレビやDVDレコーダーなどのデジタル家電、原子力発電などに力を入れ、急成長を遂げた。だが、リーマン・ショックで世界の需要がしぼむと、逆にこれまでの巨額投資が重荷となり、大幅な赤字に陥った。

 高付加価値に注力

 この苦境から抜け出すための施策が「総合電機」からの脱却だった。海外勢との価格競争にさらされやすい製品からは撤退する一方、他社にまねされにくい高付加価値の事業に注力するなど事業構造を転換。18年3月期決算では東芝を除く電機大手6社がそろって最終利益を増やした。

 とはいえ、各社の経営体力はバブル期やリーマン前に比べれば弱い。本業の稼ぐ力を示す営業利益率(売上高に占める営業利益の割合)は2~8%台。韓国サムスン電子の営業利益率が20%を超えることを踏まえれば見劣り感は否めない。サムスンは売上高でも約25兆円をあげ、10兆円に満たない国内電機各社に大きく水をあける。

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