ヤフー、信用スコアに年内参入 購買データなど分析 ID情報を点数化

ヤフーの信用スコア事業
ヤフーの信用スコア事業【拡大】

 ヤフーは10日、自社サービスのIDを基盤に個人のインターネットでの購買行動などさまざまなデータを分析し、信用情報を数値化する「信用スコア」事業に参入すると発表した。ビッグデータを使って個人の信用を可視化し、新規サービスの創出を狙う。

 ただ、データ解釈の在り方や誤情報の入力などで個人が不利益を受ける恐れもあり、慎重な運用が求められそうだ。

 年内の事業化を目指し実験を始める。事業化後はネット通販や中古品オークション、ニュースの閲覧や検索の履歴などを統計的に分析し、IDごとの信用スコアを100点満点で点数化する。

 実験では、こうした情報を提携企業12社1団体に提供し、利用者ごとに便利なサービスをつくる。例えば、サービスの申し込み簡略化や保証金の免除、先行予約、割引などを想定している。

 信用スコアの作成や提携企業への提供は、利用者の許諾なしには実施しない。ネット上で同意を求められるという。

 信用情報は、従来の金融機関が集めるものとは違い、常に更新される。海外では、中国アリババグループが信用スコア事業を展開し、個人向け融資や事業者同士の取引を円滑にする仕組みに成長している。一方、国家の統制強化へつながると懸念する声もある。

 国内ではソフトバンクとみずほ銀行が出資するジェイスコア(東京)が個人向け融資と組み合わせて参入したほか、メルカリも進出へ意欲を示している。