【電機新時代】(中)問われる市場との対話力 (1/2ページ)

 ■短期的な利益追求、弊害避けられず

 「経営は長期視点が重要だ」。2017年度決算で20年ぶりに営業利益が過去最高になったソニーの吉田憲一郎社長が、6月19日の株主総会で訴えた。金融市場にあふれる投資マネーを背景に勢いを増す「物言う株主」の影におびえ、短期的な利益だけを追い求めていては弊害は避けられない。経営者の市場との対話力が問われている。

株主の厳しい視線

 くしくも同日。米国の電機大手ゼネラル・エレクトリック(GE)が米株式市場の代表的な株価指数、ダウ工業株30種平均の構成銘柄から外されることが発表された。

 GEは1世紀超にわたるダウ平均の最古銘柄。時代の変遷に合わせて事業構成を組み替える経営手法は日本の電機メーカーの手本だった。しかし、変化の速さに追いつけず、17年10~12月期に1兆円超の最終赤字に転落。投資利益を得ようと、経営陣に厳しい構造改革を要求する物言う株主の標的になっている。

 多くの事業を抱え、経営資源が分散しがちな総合電機に対する株主の視線はとりわけ厳しい。JPモルガン証券投資銀行部門の藤森裕司氏は「電機の経営者にとって市場との対話力の重要性は増している」と指摘する。

待ち受ける攻防

 いい例が東芝だ。4月に会長兼最高経営責任者(CEO)に就任した車谷暢昭氏は三井住友銀行の副頭取、英投資会社の日本法人会長の華麗な経歴を持つ。

 だが、6月27日の株主総会で取締役選任に賛成した株主は63%にとどまり、選任された12人中で最低だった。

 しかも、東芝の大株主には、シンガポールに拠点を置く投資会社で、物言う株主として知られるエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが名を連ねる。同社は、かつてニッポン放送株などを買い集めた村上ファンドの出身者が設立した。

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