弁当おかず 盛り付け上手 アールティ、協働人型ロボ試作

 ロボットベンチャーのアールティ(東京都千代田区)は、弁当のおかずの盛り付け作業ができる協働人型サービスロボットの試作機を開発した。主に弁当工場での使用を想定しており、ベルトコンベヤーのラインで作業できる人型双腕ロボットで、人と隣り合わせでも安全に作業ができる。

ロボットベンチャー、アールティが試作した協働人型サービスロボット(同社提供)

ロボットベンチャー、アールティが試作した協働人型サービスロボット(同社提供)

 試作機は、同社が大学や研究機関向けに開発した上半身人型ロボ「シューラスセブンティーン」をベースにしている。頭部のカメラで食品コンテナにばら積みされた弁当のおかずを、人工知能(AI)の一種である深層学習(ディープラーニング)を使って識別すると、ロボットの腕が動いておかずを取り出し、弁当箱に盛り付ける。人と近接しても安全な作業ができるよう、細身の外観に仕上げた。

 キャスター(車輪)付きでロボットを動かせるため、担当する盛り付けの順番の変更なども簡単にできる。

 今後は実際に弁当工場内に設置して、使い勝手などを調べる実証実験を行い、実用化するための研究開発を進める。来年中に量産型モデルを公開し、2020年には生産と納入を目指す。

 同ロボット開発には、投資会社のスパークス・グループとトヨタ自動車、三井住友銀行によるベンチャーファンド(基金)「未来創生ファンド」、みずほキャピタル(東京都千代田区)から調達した資金を活用した。