いすゞ自動車は23日、インターネットに接続する「コネクテッドカー(つながる車)」の機能を強化した小型トラック「エルフ」を10月29日に発売すると発表した。ネット経由で集めた車両データから故障の予兆を見つけてトラックの運行管理者に知らせるとともに、通知内容をスマートフォンでも常時確認できるようにした。他の商用車メーカーもつながる車で攻勢をかけており、新たな主戦場として競争は熱を帯びそうだ。
新型エルフに採用するのは車両の安定稼働を支援する「プレイズム」。2015年に大型トラックを皮切りに導入したつながる車向けサービスで、新型車の投入を機に大中小型すべてでサービスを使えるようにする。
具体的には、車載通信機に蓄積された車両の状態に関するデータを、いすゞの管理サーバーに集めて解析。故障の予兆が検知されると、その情報を販売会社などがネット経由で共有。物流企業などトラックの運行管理者に通知し、修理を行うサービス工場への入庫を推奨する。
さらに、トラックを数台所有する小口輸送の事業者も手軽にプレイズムを利用できるよう、車両の調子や定期点検の時期などをスマホ画面で確認できるようにする。スマホの活用は小型トラックでは初めてという。
いすゞでは現在、約12万台のつながる車が国内で稼働している。強化したつながる車の機能を武器に、21年3月までに倍増の25万台に引き上げるほか、海外からのつながる車のニーズにも応えたい考えだ。