富士通、欧州向けIT機器販売縮小 独工場、20年前半にも閉鎖

 富士通は26日、欧州市場向けにパソコンやサーバーを製造するドイツ南部のアウクスブルク工場を2020年前半にも閉鎖すると発表した。厳しい販売競争で収益が低迷するIT機器販売を縮小し、システム構築などのITサービス事業に注力する事業再編を急ぐ。

 15年策定の中期経営方針で目標とした「海外売上高比率50%超」は、撤回する。海外でのITサービス拡大へ向け「顧客との関係強化に改めて取り組む」(田中達也社長)考えで、経営資源は一定の顧客基盤がある拠点に集中させる。

 一方、商用化が近い次世代通信規格の5G向け携帯電話基地局事業は、スウェーデンの通信機器大手エリクソンと提携することで合意、共同開発に取り組み、海外展開も目指す。

 同日、発表した18年度連結中間決算は、売上高が前年同期比4.6%減の1兆8345億円、最終利益は年金制度の変更による押し上げで86.6%増の811億円だった。