武田薬、欧州の市販薬事業売却検討 シャイアー買収コスト対処

 武田薬品工業は欧州医薬品大手シャイアーを買収した後の債務削減策を検討する中で、欧州の市販薬事業の売却を検討している。関係者が明らかにした。

 関係者によると、武田薬は金融大手JPモルガン・チェースのアドバイザーとともに検討している。売却プロセスは来年中に始まる可能性があり、評価額は10億ユーロ(約1280億円)前後になる見込みだという。シャイアー買収により、武田薬は大きな変革を迫られるほか、利幅が大きい希少疾患薬分野の新薬候補を手厚くできる。武田薬はシャイアー買収のコスト負担に対処するため、ドライアイ治療薬「シードラ」やシャイアーの「ナトパラ」など他の資産売却も検討していると、ブルームバーグは9月に報じていた。

 シャイアー買収をめぐっては、武田薬は日本と米連邦取引委員会(FTC)、中国、ブラジルから既に承認を得ており、主要市場の承認としては最後に欧州が残っている。武田薬は27日、買収完了に向け、シャイアーの炎症性腸疾患(IBD)新薬候補「SHP647」の売却をめぐり欧州委員会と協議していると発表した。SHP647はクローン病と潰瘍性大腸炎の消化器疾患治療で最終的な臨床試験段階にある。

 武田薬は既に同治療薬として「エンタイビオ」を保有している。その他の資産をめぐっては欧州委と協議しておらず、買収完了の遅れも見込んでいないと説明している。欧州委は審査終了期限を11月6日に設定している。(ブルームバーグ Manuel Baigorri、Aaron Kirchfeld)