三菱UFJ信託、豪社買収で資産運用強化 残高は「アジア首位」に

三菱UFJフィナンシャル・グループ本社。傘下の三菱UFJ信託銀行がオーストラリアの資産運用会社買収でグループの運用残高が大きく膨らむ
三菱UFJフィナンシャル・グループ本社。傘下の三菱UFJ信託銀行がオーストラリアの資産運用会社買収でグループの運用残高が大きく膨らむ【拡大】

 三菱UFJ信託銀行は31日、オーストラリアの資産運用会社を買収すると発表した。買収額は約3200億円。低金利環境で利益が上げづらくなった従来の融資業務から、成長が見込める手数料ビジネスに軸足を移して、事業拡大を目指す。買収後のグループを含めた資産運用残高の規模はアジア首位となる見通しだ。

 オーストラリア大手金融「オーストラリア・コモンウェルス銀行」の子会社「コロニアル・ファースト・ステート・グループ」傘下の9社の全株を取得する。2019年半ばの手続き完了を目指す。

 9社合計の運用残高は約17兆円。三菱UFJ信託を傘下に持つ三菱UFJフィナンシャル・グループの72兆5000億円と合わせると90兆円規模になるという。

 資産運用分野は、高齢化の進展を背景にした老後の資産形成需要や、新興国の経済発展に伴う所得増加で世界的な成長が見込める。規模で先を行く海外の同業他社との差を縮めたい考えだ。

 三菱UFJ信託の川上豊執行役員は「アジア、オセアニアで最大の資産運用会社になる」と意義を強調。中長期的な生き残りには規模が重要とした上で、目標とする世界15位以内、運用残高100兆円に向けてさらなる企業買収を検討すると説明した。

 三菱UFJ信託は、法人向けの融資業務をグループの三菱UFJ銀行に移管するなど事業の再構築を進めている。