【Sakeから観光立国】東京国税局酒類鑑評会 優等賞受賞誇らしく

東京国税局の関係者と酒類鑑評会の優秀賞受賞者ら=10月30日、東京都
東京国税局の関係者と酒類鑑評会の優秀賞受賞者ら=10月30日、東京都【拡大】

 □平出淑恵(酒サムライコーディネーター)

 東京国税局による、酒類鑑評会表彰式と製造技術研究会が10月30日に行われ、初めて出席した。

 同国税局は、都営地下鉄大江戸線の築地市場駅から徒歩1分のところにある。

 表彰式には同国税局管内の東京、神奈川、千葉、山梨の1都3県で製造された清酒・本格焼酎で優等賞を受賞した製造場の代表者らが出席した。清酒が44場125点、本格焼酎11場22点のほか、表彰の対象にはならないビール・発泡酒も20場47点が出品。優等賞受賞製造場数は、清酒吟醸部門11場、清酒純米吟醸部門13場、清酒燗酒部門10場、清酒純米燗酒部門14場、本格焼酎部門4場だった。

 表彰式は、国歌斉唱、山岡洋東京国税局鑑定官室長による審査報告があり、賞状授与、そして藤城眞東京国税局長による式辞と続いた。

 藤城局長は、昨年10月から開始された輸出酒類販売場制度(海外からの旅行者に消費税、酒税が免除される制度)や、今年6月に閣議決定された「未来投資戦略2018」によるJFOODO(日本食海外プロモーションセンター)によるプロモーション、地理的表示(GI)制度活用、酒蔵ツーリズム推進などにも言及し、日本産酒類の国際化への施策、それが広く地域に貢献する可能性を示した。

 受賞者代表あいさつは「東魁」醸造元、小泉酒造(千葉県富津市)の小泉文章専務が務めた。記念撮影に臨む受賞者は皆、晴れやかな表情だった。

 別会場で行われた製造技術研究会では、出品酒の利き酒や、酒が変質して発生する異臭「オフフレーバー」の体験ブースが設けられた。

 このほか酒類総合研究所の最新研究資料も提供され、着実な官民の活動が日本で醸造される酒類の発展を支えていることを強く感じた。

 筆者には、2008年から始まった燗酒の利き酒が非常に楽しく、清酒の楽しみの幅広さを感じると同時に、燗酒が厳粛な表彰式の緊張を和らげてくれたように思えた。

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【プロフィル】平出淑恵

 ひらいで・としえ 1962年東京生まれ。83年日本航空入社、国際線担当客室乗務員を経て、2011年コーポ・サチを設立。世界最大規模のワイン審査会、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のアンバサダー。日本酒蔵ツーリズム推進協議会運営委員、昇龍道大使(中部9県のインバウンド大使)、東北・夢の桜街道推進協議会アドバイザーを務める。