日本の炊飯器、インドで人気 カレーや蒸し野菜などの調理機能搭載

日本への輸出を開始したインド製炊飯器を手にするパナソニック現地法人の麻生英範社長=9月、ニューデリー(共同)
日本への輸出を開始したインド製炊飯器を手にするパナソニック現地法人の麻生英範社長=9月、ニューデリー(共同)【拡大】

 インドで日本メーカーの炊飯器が人気だ。地場の調理家電メーカーと激しい競争を繰り広げる中で、現地の食生活に合わせカレーも同時に作れる商品を開発するなど、地道な販路拡大が実を結んでいる。

 インドの炊飯器市場で6割のシェアを誇るのが、南部チェンナイに現地法人の工場を構えるパナソニック。1988年からインドで炊飯器事業を始め、今年6月に累計生産台数が1000万台を突破。日本を含む44カ国へ輸出もしており、インドを拠点にした事業展開をさらに進めていく考えだ。

 「MADE IN INDIA(インド製)」の文字が入ったピンク色のボディーに、透明のふたとシンプルなスイッチ。外観は小型炊飯器とは思えないほどおしゃれ。今年8月から日本への輸出を始めた機種だ。1.5合のコメが炊け、独身の若者や高齢者をターゲットに年間4000台の販売を見込む。インド駐在が計22年という現地法人の麻生英範社長は「日本への輸出は、インドでも日本の品質基準を満たす商品を製造できるようになったことの証し」と感慨深げだ。

 インドで販売を始めた90年代初めは炊飯器を使う習慣がなく「ほとんど売れなかった」(麻生氏)という。同社はコメを炊くだけではなく、チキンカレーなどを同時に調理できる商品を開発。「炊飯器」ではなく他の食材も調理できる「自動調理器」という名称で、充実したアフターサービスや、実演販売を通じて売り込んできた。

 首都ニューデリーの自宅で炊飯器を使う主婦、ディクシャさんは「蒸した野菜の料理も作れて重宝している。使い方も簡単」と話す。停電が珍しくないインドでは、電気が止まっても通電後に自動で調理を再開する機能も人気を支える。

 経済成長が続くインドでは人口や収入の増加に伴って、炊飯器など調理家電の需要が伸びると期待されている。「現地のニーズをくみ取った商品開発を続け、さらに売り上げを拡大したい」と意気込む。(ニューデリー 共同)