米のイラン経済制裁復活で原油供給不安再燃、国内企業は警戒 (1/2ページ)

イラン国内の石油精製施設(AP)
イラン国内の石油精製施設(AP)【拡大】

 トランプ米政権がイランへの経済制裁を復活させたことで、最近は値下がり傾向をみせる原油の供給不安が再燃する恐れがある。日本の原油輸入制限は半年間猶予される方向だが、エネルギーや素材など国内関連業界は警戒を続ける。

 トランプ米政権はイラン核合意離脱に伴い5日、イランの原油、金融、海運部門を標的にした制裁の再発動に踏み切った。再発動の第2弾となり、核合意で解除されていた制裁が全面的に復活した。違反した企業や個人は米国との経済活動を制限される恐れがある。トランプ大統領は4日「史上最強の制裁」と強調。イランを孤立させ、ミサイル開発の制限も含めた新たな合意を狙うが、再交渉は極めて困難な情勢だ。

 昨年の日本の原油輸入量のうちイラン産の割合は5.5%で、ロシア(5.8%)に次ぐ6位。首位のサウジアラビア(40.2%)や2位のアラブ首長国連邦(UAE、24.2%)には遠く及ばないが、経済産業省幹部は「供給源の多様化という観点ではイランは重要な国だ」と強調する。

 イラン産原油の禁輸を求める米国の方針に沿い、石油元売り大手各社は原油の輸入を10月分から停止していた。米政府による猶予をにらんで停止解除の検討に入るが、取引には「不安定さが残る」(関係者)として慎重姿勢を崩さない。

 合成樹脂大手各社は10月、食品の包装やポリ袋に使うポリエチレンなどの出荷価格を値上げした。帝人グループもポリエステル繊維価格を引き上げた。原油高に弾みがつくと、さらなる値上げが視野に入る。こうした素材を原材料に使う日用品などの値上がりにつながれば、家計への影響が避けられない。

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