糖尿病性の網膜症、AIで自動診断 トプコン、眼底カメラ独占供給

IDxのアブラモフCEO(中央)とトプコンの大上二三雄常務執行役員(右)=10月23日、東京都板橋区のトプコン本社
IDxのアブラモフCEO(中央)とトプコンの大上二三雄常務執行役員(右)=10月23日、東京都板橋区のトプコン本社【拡大】

  • トプコンのフルオート眼底カメラ「TRC-NW400」

 トプコンは、米IDxが開発した糖尿病性網膜症を人工知能(AI)により自動診断するシステムにトプコン製眼底カメラの独占供給を開始、来年度は1000台の販売を見込む。眼底カメラで撮影された患者の眼底画像からAIが糖尿病による失明リスクを判断、疾患の早期発見・治療への貢献を目指す。

 AI自動診断システム「IDx-DR」は今年4月、世界で初めて米食品医薬品局(FDA)に認証された。これを受けIDxは、トプコン製フルオート眼底カメラ「TRC-NW400」を搭載し、販売を始めた。トプコンは今年度、100台超を供給する予定。

 今回のFDA認証は、IDx-DRのAI自動診断システムが初期診療の環境下で、専門医並みの診断が行えることを実証したため。トレーニングを受けたオペレーターが、NW400で撮影した患者の網膜のデジタル画像を独自のAIアルゴリズムにより数十秒で解析、糖尿病性網膜症の陽性か陰性かを判断する。これまで正しい診断結果の検出率は96%に上っているという。専門家の読影を必要としないため、眼科以外の医療従事者でも使用できる。

 来日したIDxのマイケル・アブラモフ創業者兼CEO(最高経営責任者)は東京都板橋区のトプコン本社で、「診療現場でAI診断が効果的に機能するには、使いやすさと高品質な画像が得られることが重要。トプコン製眼底カメラを採用できたからFDAの認証を得ることができた」と評価した。一方、トプコンの大上二三雄常務執行役員は「糖尿病患者が増加しており、IDxとの提携によりAI自動診断の普及に努めたい」と語った。

 NW400は、誰でも簡単に撮影できる眼底カメラとして2014年に発売。眼底撮影専用の独自センサーを搭載し視神経乳頭形状や血管走行、網膜をクリアに描写できるほか、タッチパネルを1回触れるだけで左右眼移動も簡単にできる。現状は年1300台程度を生産しているが、今回の提携により倍増するとみている。

 世界の糖尿病人口は約4億2500万人。成人11人に1人が糖尿病患者で、45年までに約7億人に増加するとの予測もある。