パイオニア、再建へ足踏み 香港ファンドとの契約手続き遅れ

パイオニアの決算会見で、投資ファンドとの交渉状況を説明する森谷浩一社長=7日午後、東京都千代田区
パイオニアの決算会見で、投資ファンドとの交渉状況を説明する森谷浩一社長=7日午後、東京都千代田区【拡大】

  • パイオニアの最終損益の推移

 パイオニアの森谷浩一社長は7日の決算記者会見で、香港の投資ファンドをスポンサーとする経営再建について「手続きの見通しが甘かった」と述べ、正式契約が遅れていることを明らかにした。技術力を生かして再成長を図る方向性ではファンドと一致しているというが、手続きの足踏みが長引けば株主の視線も厳しさを増すのは必至だ。

 パイオニアは9月、香港を拠点とするファンド「ベアリング・プライベート・エクイティ・アジア」から支援を受けると発表。10月末までに正式契約を結び、12月末までに500億~600億円の第三者割当増資を実施するとしていた。

 同日発表した2018年9月中間連結決算は売上高が1709億円(前年同期比3%減)、営業損益は16億円の赤字(前年同期は20億円の黒字)で、最終損益は99億円の赤字(26億円の赤字)だった。通期の最終損益予想はファンドと交渉中のため引き続き留保した。

 業績不振の主因は、自動車メーカー向けのカーナビの開発費が大幅に膨らんだことだ。カーナビの機能がスマートフォンに取って代わられ、稼ぎにくくなったという市場構造の変化も大きい。

 森谷社長は成長の種として、自動運転向け車載センサーと子会社のデジタル地図データをつなぐ新ビジネスを掲げる。ファンドも、「そうした技術を資金面で支える考え」(森谷氏)で一致。資金繰りはファンドの融資で問題ないという。

 ただ、カーナビ事業をめぐっては富士通テンがデンソーの傘下に入り、日立製作所もクラリオンを仏自動車部品大手に売却するなど、自動運転時代をにらんだ再編が加速している。交渉が長引けば、パイオニアは後れを取りかねない。