東芝中期経営計画 成長施策に疑問 LNG売却予断許さず (1/2ページ)

「東芝が中期経営計画を発表」人員7千人の削減など、中期経営計画の発表をする車谷暢昭(株式会社 東芝取締代表執行役会長 CEO)=8日午後、東京都港区(宮川浩和撮影)
「東芝が中期経営計画を発表」人員7千人の削減など、中期経営計画の発表をする車谷暢昭(株式会社 東芝取締代表執行役会長 CEO)=8日午後、東京都港区(宮川浩和撮影)【拡大】

  • 中期経営計画の発表後、質疑応答で記者の質問に答える車谷暢昭・株式会社 東芝取締代表執行役会長 (中央)ら=8日午後、東京都港区(宮川浩和撮影)
  • 中期経営計画について記者会見する東芝の車谷暢昭会長兼CEO=8日午後、東京都内

 東芝が8日に中期経営計画を発表し、再建の道のりを本格的に歩み始めた。経営破綻(はたん)回避のため、本業のもうけを示す連結営業利益の約9割を稼いでいた半導体メモリー事業を手放した同社にとって、残った事業の「稼ぐ力」を伸ばさなければならない。だが、中期計画で掲げた成長施策は目新しさに欠ける。懸案だった米国での液化天然ガス(LNG)事業を中国ガス大手に売却できるかも予断を許さない。

 「業界トップクラスに持ち上げたい」

 東芝の車谷暢昭会長兼最高経営責任者(CEO)は8日の記者会見で、収益向上に向けた意気込みをそう述べた。

 同社の平成31年3月期の営業利益見通しは600億円。利益率はわずか1・7%しかない。それを34年3月期は6%以上、最終年度の36年3月期には8~10%に高めるという。

 不正会計や米原発子会社の巨額損失で破綻危機にひんしている間に、ライバルとの差は大きく開いた。宿命のライバルである日立製作所は、足元の営業利益率が8%近くに達し、34年3月期には10%まで高める考えだ。

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