カレーの名店、M&Aで次代に承継 ゴーゴーカレーグループ、業態多様化狙いも

(左から)ゴーゴーカレーグループの宮森宏和社長と「ホットハウス」創業者の五十嵐憲治氏、ビズリーチの南壮一郎社長=東京都渋谷区
(左から)ゴーゴーカレーグループの宮森宏和社長と「ホットハウス」創業者の五十嵐憲治氏、ビズリーチの南壮一郎社長=東京都渋谷区【拡大】

 国内外で80店舗以上のカレー専門店チェーンを展開する、ゴーゴーカレーグループ(東京都千代田区)は、後継者不足に悩むカレー店のM&A(企業の合併・買収)を本格化させる。各店舗の味と屋号(ブランド)、従業員はそのまま引き継ぎ、全国各地で愛されている名店を次世代に承継するとともに、ブランドを多様化することによって新たな市場を開拓する。2020年までに、5つのブランドを承継する予定だ。

 既に第1弾として昨年2月に金沢市の「ホットハウス」の事業を取得した。

 同店は1980年に創業した石川県内で最も歴史のあるインド料理店だったが、創業者の五十嵐憲治氏が高齢になり、親族にも後継者がいなかったことから、店の存続に悩むようになっていた。その話を聞いたゴーゴーカレーの宮森宏和社長は、「もし後継ぎが決まらないならば、店を引き継がせてほしい」と声を掛けた。

 宮森社長が同店の常連客で気心が知れ、信頼関係があったこともあり、2カ月ほどで事業は引き継がれた。

 味も屋号も従業員もそのままだが、スケールメリットで原材料の仕入れや労務管理のコストが削減された。前オーナーである、五十嵐氏の頭の中にあったレシピを専門家を交えて、1年かけて明文化した。五十嵐氏は、名誉会長として非常勤で助言をする。

 ホットハウスは、12月には横浜市内に2店舗目をオープン、将来はインド進出も視野に入れている。

 事業承継の具体的な方法としては、ビズリーチ(東京都渋谷区)のM&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」の新サービス「承継公募」を活用する。ゴーゴーカレーが事業承継の趣旨などを公開した上で、譲渡希望者を公募する。

 募集するのは既存のカレー店のほか、立地条件のいいカレー以外の飲食店の居抜き店舗、レトルト食品製造工場など。

 帝国データバンクによると、2016年に休廃業・解散した外食産業は、代表者の年齢別では60歳以上が6割弱を占めている。70歳以上も3割弱で増加傾向にある。

 宮森社長は、「先人のブランドを引き継ぐとともに、ノウハウの蓄積と業態の多様化で市場を拡大していく」と意気込む。

 売却する経営者にとっては、老後の生活保障のための資金を得られるメリットも大きく、五十嵐氏は、「親族で後継者がいなければ廃業せずに、第三者へ引き継いでもいいのではないか」と話している。