【ブロックチェーンの時代】(上)貨幣の解放迫る仮想通貨


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 ■エドモンド・モイ氏に聞く

 バブルが収束した感もある仮想通貨だが、その普及や利用はこれからが本番だ。17、18日に開かれる日米やアジア太平洋地域の保守思想の連帯を目指す国際会議「J-CPAC2018」の開催記念シンポジウム「ブロックチェーン時代の政治と通貨」で基調講演をする米造幣局元長官のエドモンド・モイ氏に仮想通貨や、その基幹技術であるブロックチェーンの展望などを聞いた。

 --現下の仮想通貨をどうみるか

 「通貨や支払いシステムがうまく機能しない世界において、仮想通貨の使用が増加している。高インフレとなっているベネズエラや、海外との資本の自由な流通を規制している中国、インドではより一般的だ。韓国、シンガポール、スウェーデンなどの地域では、破綻した銀行の救済策として使用された。資産の所有権を把握するなど明白さと説明責任を向上させるために、ブロックチェーン技術を使った仮想通貨の活用が進んでいる」

 --今後をどう考えるか

 「ブロックチェーンの技術はまだ採用初期段階にある。これはインターネットの初期にも似ている。ただ、インターネットのときよりも仮想通貨市場は急速に発展している」

 --仮想通貨の普及で、金融、経済はどう変わるか

 「貨幣は歴史の大部分において、取引(通常金または貴金属)に関与する個人によって合意されたものだった。コインを精錬して大量生産するための経済規模が政府にあったため、取引が増加するにつれて、政府が関与し始めた。しかし、政府は人々を支配する目的で資金を制御し、政治・社会的問題を金融政策に関与させるため権力を利用してきた。仮想通貨は貨幣の統治を国家から分散させ、市民の手に戻す。こうした認識が普及することで、仮想通貨とそれらをとりまく産業のための市場も拡大するだろう」

                   

【プロフィル】Edmund C. Moy

 エドモンド・モイ 第38代米造幣局長官、ジョージWブッシュ政権・人事部特別補佐官、米国土安全保障省の政権移行チーム担当。アレクサンダー・ハミルトン勲章受章。米ミシガン州出身。