製紙大手、古紙値上げ加速 段ボール原料、中国の大量購入が要因


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 製紙大手が今月、一斉に段ボール原料となる古紙の値上げに動いている。中国が米国との貿易摩擦で、古紙の輸入元を米国から日本に切り替え、大量に購入しているためだ。燃料費や物流費の上昇も要因。影響が長期化すれば、消費者に負担が及ぶ可能性もある。

 日本製紙子会社の日本東海インダストリアルペーパーサプライ(東京都千代田区)は段ボール原紙の15%以上の値上げを21日出荷分から実施する。レンゴーと、王子ホールディングス傘下の王子マテリア(同中央区)、大王製紙も1日出荷分から値上げした。大王製紙の阿達敏洋専務は「(納入先の)在庫も非常に厳しく、価格調整は通りやすい状況」と話す。

 原因は米中貿易摩擦だ。日本製紙連合会によると、中国は5月に米国の古紙に対して環境対策を理由に輸入を規制。8月には米国の関税発動への報復で古紙に25%の追加関税を課した。米国の古紙の対中輸出は急減する一方、分別回収が根付く日本の高品質な古紙の輸出は激増。米国の輸出量は足元では回復の兆しもあるが、段ボール用に限れば、9月の日本の中国向け輸出量は前年同月の4倍を超えた。高騰する輸出価格につられて日本国内の価格も上昇している。

 全国段ボール工業組合連合会によると、2018年の国内の段ボール需要はインターネット通販の拡大などで、3年連続で過去最高を更新する見通し。原料不足による段ボールの欠品も懸念され、レンゴーの馬場泰博取締役専務執行役員は「貿易摩擦が長引けば、国内のほかに米国や欧州からも古紙を入れて、欠品しないようにしていく」と強調する。