自然災害が続いた7~9月は、4階で子供向けのリラックマ、ポケットモンスターなどをテーマにしたイベントを開催する一方で、9階では全国のアイスクリームを集めたフェア、東京に1号店を持つ海外のレストランなどを集めた食の催事、四国、九州の物産展などを実施。続けざまに催事を開催して客の再来店をうながした。
特に9月4日以降は関空が全面復旧するまで、免税売り上げが大きく落ち込んだが、月間の全体の売り上げは1.3%減にとどまった。同社広報は「催事で来店客が増えるとほかの売り場の売り上げも上がる効果があった」と話す。
外商顧客対策
他の百貨店も国内客対策に注力。高島屋大阪店(大阪市中央区)は外商顧客対策に焦点を当てる。今年から外商顧客を店舗で優待する「ウェルカムデイズ」を毎月開催しており、この日は担当係員が顧客の買い物に同行するという。
外商顧客は自宅で商品を取り寄せて選ぶことができるサービスを受けられる。ウェルカムデイズは顧客が店に出向くことになるが、ここに同店が最近力を入れる店舗の改装が一役買っている。
同店は高級時計をそろえた「ウォッチメゾン」やゴルフクラブのセミオーダーを受け付ける「ゴルフ工房」など富裕層に向けた売り場を新設。新しい売り場で豊富な品ぞろえを目の当たりにし、ふと目に留まった品物も購入するケースがあるという。
そんな地道な取り組みが実を結んで、同店では、9月は免税売り上げが20.3%減となったが、外商顧客含めた国内客の売り上げは4.7%減にとどまり、全体7.8%減と「持ちこたえた」(同社広報)。
同社広報は「インバウンド需要に甘えることなく、国内客にも支持が得られる基本的な営業力強化が必要だと考えている」と話している。