ソニー、テレビ事業の高価格戦略加速 70型、80型など大型にシフト

取材に応じるソニーの高木一郎専務=15日、東京都品川区
取材に応じるソニーの高木一郎専務=15日、東京都品川区【拡大】

 ソニーは15日、テレビ事業について、70型、80型など大型に主力をシフトさせることを明らかにした。高解像度の技術を生かすほか、音響にもこだわるなどして差別化を図り、高価格の製品に特化した戦略を加速させる方針。テレビ事業を統括する高木一郎専務が取材に応じた。

 同社の液晶テレビは、「中国や国内の普及価格帯の商品とは競合しない」とみている半面、55型などは競争激化で低価格化が避けられないと判断している。

 65~100型のプレミアム市場を主力と位置付け、「数量を追わず平均単価を上げる」方針で、世界シェアは現状の数量で6~7%、金額ベースで10%を今後も維持していく。

 一方、超高精細の「8K」テレビに関しては、「顧客が価値を感じないと普及しない」として、早期の商品化に慎重姿勢を示した。

 2005年3月期からの10年で約8000億円の営業赤字を垂れ流したテレビ事業は、シェアを追わず、販売地域を縮小する戦略で収益性を高め、黒字を維持している。