日産、中国で現地化を積極推進 消費者ニーズ、すばやく取り込む (1/2ページ)

広州モーターショーの日産自動車のブース=16日、中国・広州(共同)
広州モーターショーの日産自動車のブース=16日、中国・広州(共同)【拡大】

 日系メーカーで首位の販売台数を誇り、積極的に電気自動車(EV)販売を進めているのが日産自動車だ。

 8月には広州の工場でEV生産に乗り出し、部品調達を含めて現地化を推進する。コネクテッドカーでは、現地合弁会社のブランド「ヴェヌーシア」を活用するなどして、新しいニーズをすばやく取り込んでいる。欧米での販売不振で業績がさえない日産にとって、中国事業の重要性が高まっている。

 世界最大の自動車市場を抱える中国で16日、広州モーターショーが開幕し、各社がEVやコネクテッドカー(インターネットでつながる車)をお披露目した。

 広州モーターショーの会場で16日に世界初公開された新型スポーツ用多目的車(SUV)「ヴェヌーシア T60」。家の中にあるスマートスピーカーと相互に連携し、自宅から車の窓を開閉したり、エンジンをかけたりすることができる一方、車内からも自宅の家電を操作できる。

 日産の中国販売に占めるヴェヌーシアブランドは9%に過ぎないが、それ以上の意味がある。販売規模が大きな日産では、世界の他の地域でも売ることを考えて車を開発しなければならず、開発期間も長い。

 この点、開発関係者の多くを中国出身者で固めたヴェヌーシアは、刻々と変わる消費者のニーズを的確に捉え、機動的な対応ができるというわけだ。今回搭載したコネクテッド機能も、3月にアイデアが浮上したばかりだが、今月のモーターショーに間に合わせた。

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