東芝、AI・IoT分野で挽回狙う 投資加速で電池事業や精密医療など育成 (1/2ページ)

東芝の技術戦略を説明する車谷暢昭会長兼最高経営責任者=22日、東京都港区
東芝の技術戦略を説明する車谷暢昭会長兼最高経営責任者=22日、東京都港区【拡大】

 東芝は22日、技術戦略説明会を開き、人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)などを活用してインフラや電力などの分野を伸ばしつつ、電池事業や精密医療などの新規成長分野を育成する経営計画を支える関連技術をアピールした。だが、AIやIoTは各社が既に力を入れているだけに、どこまで挽回できるかは未知数だ。

 「これまでの技術基盤にAIなどを使って競争に勝ち抜き、深刻化する社会問題の解決に貢献したい」。車谷暢昭会長兼最高経営責任者(CEO)は同日の会見でこう強調した。

 期待をかけるのが、気象予測をベースにした電力需要予測や鉄道の故障診断予測、半導体の製品不良発生解析、複数のカメラに写る同一人物を判定する技術などだ。

 電力については、太陽光や水素などの多数の小規模発電所と、電力の需要抑制システムを1つにまとめて制御する「仮想発電所(バーチャル・パワープラント)」を強化。鉄道については、充電時間が短く、長寿命、発火しにくい特徴を持つ2次電池を売り込むのと同時に、AIで故障の予知などを行う保守、メンテナンスも提案する計画だ。

 こうしたAIやIoTの分野に重点的に投資する方針で、斉藤史郎専務は「5年間の研究開発費9300億円のうち3割程度(約2800億円)を振り向けたい」と話した。これまで半導体メモリー事業に投資を集中させていたが、メモリー事業を売却したことで他分野へ投資を振り分けられることが大きい。

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