【中小企業へのエール】AIで無くなる仕事、無くならない仕事 人工知能と職業の関係 (2/2ページ)

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 最終的に残るのは、顧客と温かみのある会話や冗談を交わせる関係が必要な仕事、あるいは失敗したら素直に謝り、努力することで信頼を勝ち取る仕事-といったビジネスだろう。

 そんなことを考えながら、服を修理するために事務所近くの洋服屋に行った。そこのおばさんは「お久しぶりね、お子さんはもう大きくなったわね」と明るく世間話をしながら、修理個所を素早く見つけると、ものの小一時間で直してしまった。

 こんな店は絶対に無くならないし、無くなっては困る、と心底思った。そんな店がどれくらいあるかも心配だが…。

 「働き方改革」で生産性を上げようというのが現下の日本の課題。AI化で職業のスタイルが変化し、生産性も上げることはできるだろうが、「生産性は、数字だけに表れるものでもない」ということもしっかり認識しなければならない。(次回から隔週水曜日掲載)

【プロフィル】増山壽一

 ますやま・としかず 東大法卒。1985年通産省(現・経産省)入省。産業政策、エネルギー政策、通商政策、地域政策などのポストを経て、2012年北海道経産局長。14年中小企業基盤整備機構筆頭理事。17年4月から旭川大客員教授。日本経済を強くしなやかにする会代表。56歳。