AIBO初代開発者、独自AI搭載の実用ロボ本格運用 (1/2ページ)

接客・警備ロボット「ユニボットbyペッパー」と、AIBO(アイボ)の初代開発責任者だった大槻正代表(左)=東京都品川区のユニボット(大塚昌吾撮影)
接客・警備ロボット「ユニボットbyペッパー」と、AIBO(アイボ)の初代開発責任者だった大槻正代表(左)=東京都品川区のユニボット(大塚昌吾撮影)【拡大】

 ■人手不足解消で市場拡大へ

 深刻な人手不足を背景に、ロボットの世界は、コミュニケーションロボットからサービスロボットへと進化を遂げている。ソニーの犬型ロボット「AIBO(アイボ)」の初代開発責任者だった大槻正氏(70)は、ソフトバンクの「Pepper(ペッパー)」に独自の顔認識人工知能(AI)を積んだ接客・警備ロボットの本格運用を開始。さらに高度なサービスを開発中で、日本の実用ロボット市場拡大に期待がかかる。

商業施設や倉庫警備

 2020年東京五輪・パラリンピックに向けた建設ラッシュで、警備業界は、建設現場周辺の交通誘導などの需要で深刻な人手不足に陥ると予想されている。そのしわ寄せを受けるのがスーパー、商業施設や工場、倉庫、オフィスビルなどの警備だ。

 大槻氏は、ソニーでカラーテレビの選局システムやコンピューターの記憶装置、音声や画像認識技術の研究開発を担当。ナムコ(当時)に移り、3次元CGの研究開発を手掛けるなど、ロボット開発につながる技術を蓄積してきた。ソニーに復社してAIBOの開発責任者を務めた後も、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)でロボットの人工知能の研究をリードした日本のロボット開発スペシャリストだ。

 大槻氏は現在、スタートアップ企業「UNIBOT(ユニボット、東京都品川区)の代表。「慢性的な人手不足で近い将来、ロボットが警備を担うようになる」として、警備会社のユニティガードシステム(同港区)から、警備ロボットの開発を依頼された。

 しかし、「国内のサービスロボット開発は膨大な費用がかかる」(大槻氏)。そこで、ペッパーに独自のアプリケーションを搭載し、また貸しのように「転レンタル」する方式で、社名と同名の接客・警備ロボット「ユニボットbyペッパー」を完成させた。

 ペッパーにはもともと、目(カメラ)、耳(マイク)、口(スピーカー)、足(車輪、脚)のほか、ディスプレーやセンサーが備わっている。

顔登録し万引抑止

 ペッパーの基本機能に、同社独自の顔認識AIを載せたユニボットbyペッパーは、スーパーや商業施設の店内を自由に、あるいは床のマーキングをたどって走り回り、人を見かけると近づいて会話し、コミュニケーションを取りながら相手の顔を情報として取り込む。

 特定の個人を万引の常習者として店側が登録すれば、顔を認識して、来店時や買い物中にそばに行って話しかけたり、店長ら責任者のスマートフォンに送信したりする。福島市内にあるショッピングモールの大型書店での実証実験では、ペッパーの話しかけによって、万引の発生が前年比66%減ったという。

 会話の内容や、「巡回中」などと胸に掲げたディスプレーの表示は店側で入力でき、売り場案内や会話も可能だ。

 実際に、大槻氏のオフィスで会ったユニボットbyペッパーと会話してみると…。

 ペッパー「スポーツは好き?」

 筆者「好きだよ」

 ペッパー「そうなんだ。ボク、野球やサッカーをやってみたいんだ」「野球とサッカー、どっちかといえば、どっちが好き?」

 筆者「野球」

 ペッパー「野球をやるには9人必要と聞いたんだ」「一緒にやってくれる?」

 筆者「いいよ」

 ペッパー「やったー。じゃあその時までに、ボールを投げる練習をしておこうかな」「応援してくれる?」

 筆者「うん、するよ」

 ペッパー「ありがとう。がんばるね!」

 想像以上に、きちんとした会話が成立し、小学生と話しているような気分になった。

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