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ネット銀の先駆けが無くしたい「ズレ」 ジャパンネット銀行・田鎖社長に聞く

 ■ジャパンネット銀行社長・田鎖智人さん(46)に聞く

 --ネット銀行の先駆けだが、ヤフー出身としてどう変えていくか

 「サービスの作り方など、よりネット企業らしくしていきたい。顧客の反応を見て、すぐに改善して、サービスを増やすのがネット企業だ。サービス内容を伝えるサイトのバナーを読み手の理解しやすい言葉に置き換えることから始めている。『分かりやすさ』と『セキュリティー』はトレードオフ(相殺)になりがちだが、セキュリティーを担保した上で分かりやすくするようにしている」

 --今後はどういうところを分かりやすく、使いやすくしていくか

 「スマートフォンのアプリも注力する対象だ。創業時はパソコンからの利用だけだったが、今はスマホからの利用が多くなっており、どんどんシフトしようとしている。アプリを徹底的に磨き上げていきたい」

 --ヤフーやソフトバンクなどが運営しているスマートフォン決済アプリ「ペイペイ」とは、どう連携する

 「ペイペイのアプリへの入金を24時間365日できるようにすることで『買い物をしようとしたら連携できなくて、がっかりした』ということがないように、バリアフリーにしたい。消費者感覚だと平日の夜に買い物をするが、銀行業界ではメンテナンスでシステムが止まっていることも多い。世の中と銀行業界の感覚のズレをなくさないといけない」

 --LINE(ライン)はアプリによる送金を実現しており、銀行業界にとって脅威といわれている

 「有力なパートナーで脅威とは思っていない。(LINEの決済サービス)LINEペイと連携しており、LINEペイでの資金移動をスムーズにするのが、われわれの役割だと思っている」

【プロフィル】田鎖智人

 たくさり・ともひと 早大政経卒。1995年日本信販(現三菱UFJニコス)入社。2003年7月ヤフー入社。ヤフーとの資本業務提携により、06年9月に社外取締役。18年2月のヤフーによる連結子会社化に伴い現職。東京都出身。

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