社長とは「ツアープロデューサー&コンダクター」である (3/4ページ)

社長とは「ツアープロデューサー&コンダクター」である(Getty Images)
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 皆さんは「だれをバスに乗せるか」というフレーズを聞いたことがありますか?

 これは、ビジネスコンサルタントのジム・コリンズ氏による名著『ビジョナリー・カンパニー2』に出てくる有名なフレーズです。実は本書の第3章のタイトル自体がこれで、その副題として「最初に人を選び、その後に目標を選ぶ」と記されています。私はこの「人が先、目的は後」については一部異論があるのですが、目的も含めて、どのような人とどんな想いや価値観を大切にして、この旅を一緒に歩みたいのか、という観点で、「だれをバスに乗せるか」というフィルターはとても重要であると思います。

 旅の仲間は誰とでも良い、ということはありませんよね。皆さんが「この人となら」共に旅の道中を一緒にしたいのは、どのような人でしょうか?

 ◆その3「目的地まで旅を続ける力がある」

 “旅”に出たら、何としても目的地に辿り着く。皆をそこまで連れて行くという執念を持つ。

 もちろん、一般的に私たちが参加するツアーなども、ちゃんと目的地まで辿り着かなければ困りますし、ツアーの行程がしっかり予定通りにこなされなかったとすれば私たちは顧客クレームを出しますよね。

 しかし、今回喩えている“経営・事業という旅”については、一般ツアーというよりも、もしかしたら「冒険」といったほうが適切かもしれません。

 当初計画されたスケジュールがあったとしても、おそらくそれがそのまま進むことは、まずあり得ない。道中、様々な困難や障害、難敵などが現れるアドベンチャーとなるでしょう。とはいえ決して「雨天中止」という訳にはいかないのです。

 この嵐の中を、旅の仲間と共に、時に励まし、時に叱咤し、いかなる苦難が襲いかかっても、何としても目的地までの旅を続ける信念と執念を持つツアーコンダクターが、社長なのです。

今回の社長を目指す法則・方程式:

「ツアープロデューサー&コンダクター力」

 (1)「(連れて)行きたい処(夢・ビジョン)がある」

 (2)「旅の仲間を募る力がある」

 (3)「目的地まで旅を続ける力がある」

「終わりなき旅」