デジタル地図の会社は、情報更新のため莫大なお金を投下する。例えば、街中でたまに見かけるグーグルマップ専用車。機材込のお値段、なんと一台10億円にも及ぶという。その結果、デジタル地図データの利用料はどんどん吊り上げられている。実際、グーグルマップのデータ利用料は、2018年8月に14倍も値上がりした。また、コストを投下したからといって、1つの会社が世界中の地図の変化を捉えきることは不可能だ。
そこでデジタル地図の会社に代わって、ユーザーが作るオープンソース型地図という考えが誕生した。「オープンストリートマップ」というサービスがその代表であろう。
安いコストでリアルタイムの地図情報を更新できるオープンソース型の地図は、「次世代のデジタル地図」とも言われている。
ところが、このオープンソース型地図に、二つ目の課題がある。情報の正確性だ。地図への情報提供はあくまでも一般ユーザーが行うため、情報の質の確保は難しい。
そこで今回は、「更新コストと正確性」の二つの課題を同時に解決できる地図アプリを開発しているHyperion Lab Foundationに話を聞いてみた。Hyperion Lab Foundationは2018年にシンガポールで立ち上げられたプロジェクトであり、ブロックチェーン技術を活用し、分散型デジタル地図を開発している。