社会問題と化す日本の農地、再生を目指す新しい試み「RE FARMプロジェクト」 (1/3ページ)

 この10月、鹿児島県いちき串木野市の農場で、あるイベントが行われた。参加したのは、地元の母子家庭のお母さんと子どもたち20組。サツマイモの収穫体験をしたり、バーベキューを楽しんだりと、にぎやかなイベントになった。

耕作放棄地を企業に貸し出すことで、農業の再生を目指す「RE FARMプロジェクト」

耕作放棄地を企業に貸し出すことで、農業の再生を目指す「RE FARMプロジェクト」

 農場は、いわゆる「耕作放棄地」になっていた場所である。長い間、農地として使用されずに放っておかれ、荒れ地になっていた。それを地元のガス会社が借り上げて、農園として再活用している。

 参加した子どもは、自然の中での体験に大喜び。主催側のガス会社の社員も「子どもやお母さんが喜んでいる姿を見て、もっとがんばろう」とモチベーションが高まったという。

 この両者を橋渡ししたのが、農業ベンチャー「ファームフェス」という企業。全国各地にある耕作放棄地を再生し、企業に貸し出すことで、新たな農地の活用方法を進めている。その経緯を運営にあたる株式会社ファームフェス取締役COOの岡崎慎祐さんに聞いてみた。

 「最初は、農地をシェアリングという形で一般の方に貸し出すサービスを行っていました。その中で、耕作放棄地の問題に直面したのです。農業の担い手不足のため、年々、放棄される農地は増える一方です。さらに、台風や豪雨といった自然災害の被害が増大しているのが現状です。ある農家では、台風でビニールハウスが飛んでしまい、200万円もの損失が出て、非常に苦労されている。こういった現状をどうにかできないか、と考えました」(岡崎さん)

 ▼耕作放棄地再生「RE FARMプロジェクト」

 現在、日本の耕作放棄地は約42.3万ヘクタール。これは東京都と大阪府を合わせた面積よりも大きい面積である。放っておくと災害の原因になるだけでなく、雑草や害虫などの被害を巻き起こしてしまう。そのため、大きな社会問題になっている。

 「個人に貸し出すだけでは、解決はなかなか進まないと考え、企業との連携を模索しました。まだ半年あまりですが、これまでに6つの企業さんと契約を結ぶことができました。他にも検討中の案件もあります」(岡崎さん)

栽培はすべて農家が行う