社会問題と化す日本の農地、再生を目指す新しい試み「RE FARMプロジェクト」 (2/3ページ)

 企業が借りることのできる農地は、150から1000平方メートル。オリジナルの名前をつけて、社員の福利厚生や地元の人との交流会などに活用できる。オンライン上に専用ページが開設されるので、栽培の様子を確認したり、管理する農家の方との交流も可能だ。都市部のレンタル菜園と違い、栽培はすべて農家が行う。企業は様々なイベントを開催し、収穫物を受け取るだけで済む。

 耕作放棄地再生「RE FARMプロジェクト」の第1号になったのが、山梨県北杜市の農場である。北杜市は、八ヶ岳や甲斐駒ヶ岳に囲まれた自然豊かな地域。高地の特性を生かした野菜栽培が盛んな土地だったが、近年は農業従事者の高齢化のため、廃業する農家が増えている。ちなみに山梨県は、耕作放棄地の割合が日本で2番目に多い県である。

 そういう事情を背景に、建設仮設工事会社が農場を借り上げた。8月には子どもたちを招いて、野菜の種まきや収穫を体験。スイカ割りや流しそうめんなどのイベントも開催し、大いに喜ばれたという。

 「北杜市は東京から車で約2時間と便利な場所です。環境が素晴らしいにもかかわらず、それをうまく発信できてない状態でした。地元の若手の農家さんが集まる団体の協力を得て、2年前から少しずつ活動を進めてきました。農家が廃業するのは、高齢化もありますが、自然相手の仕事だけに、一旦災害に見舞われると収入が激減してしまいます。そのため安定した収入を得られない、というのが耕作放棄地を生み出す要因のひとつです。そこを解決するため、企業と連携して農地を貸し出すことで、安定した収入を得ることができれば、とプロジェクトを立ち上げました。これまでの農業は、農産物の栽培に頼っていましたが、今後は交流会や収穫体験といった『コト消費』も重要になります。そういった活動を通して、農家の収入を安定させていくことを目指しています」(岡崎さん)

地域を巻き込み、再興を