【経済インサイド】目標1千億円、東京五輪も見据える「AI審判」 富士通の勝算は (3/3ページ)

国際体操連盟の渡辺守成会長(右)と富士通の田中達也社長=11月20日午後、東京都港区(桐山弘太撮影)
国際体操連盟の渡辺守成会長(右)と富士通の田中達也社長=11月20日午後、東京都港区(桐山弘太撮影)【拡大】

  • 国際体操連盟と富士通が公開した体操競技の採点支援システム=20日午後、東京都港区(桐山弘太撮影)
  • 国際体操連盟と富士通が公開した体操競技の採点支援システム=11月20日午後、東京都港区(桐山弘太撮影)

 富士通復活の試金石

 一方、富士通が狙うのは関連マーケットへのさらなる展開だ。日本のスポーツ産業の規模はGDP(国内総生産)の1%に当たる約5.5兆円、米国では同3%の約50兆円に上る。すでにフィットネス業界などから関心が寄せられているといい、高齢者の健康維持や若者に人気が高いダンスパフォーマンスなど、同システムを活用できそうな領域は広い。

 業績が振るわない富士通はここ数年、カーナビやパソコン、インターネット接続、携帯電話と個人向け事業を矢継ぎ早に切り離し、主力のITサービスに経営資源の集中を進めてきた。「保有するIT技術を新領域に適用して新たなビジネスモデルを築く」という田中社長の経営方針の上で、採点支援システムの収益化は一つの試金石となる。(山沢義徳)

 【体操競技】 男子は床運動・あん馬・吊り輪・跳馬・平行棒・鉄棒の6種目、女子は跳馬・段違い平行棒・平均台・床運動の4種目。国際体操連盟が公認する大会は、国際大会規模で28、各国の全国大会規模で935ある。これらの大会に加え、加盟国が持つ176カ所のナショナルトレーニングセンターなどが採点支援システムの主なターゲット市場となる。