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サイエンス、初のシャワーヘッド発売 超微細泡で高洗浄力と保温効果

 日本メーカーが手掛ける、超微細な泡の「ファインバブル」を用いた技術が世界から注目されている。ファインバブル発生器メーカー「サイエンス」は今年7月、ファインバブルを発生させるシャワーヘッド「ミラブル」を発売。超微細な泡が皮膚に入り込み、高い洗浄力や保温効果を発揮するという。

 サイエンスのほか、パナソニックやシャープなど約70の会員企業で作るファインバブル産業会によると、直径が1~100マイクロメートルの気泡をマイクロバブル、さらに小さい直径1マイクロメートル以下の気泡をウルトラファインバブルと呼び、この2つを合わせてファインバブルとしている。

 強い洗浄力を誇るファインバブルの技術は、これまで半導体などの製造過程の洗浄で工業用として一般的に活用されてきたが、近年は健康や美容といった分野での応用が始まっている。

 「ミラブル」は、ウルトラファインバブルを含むミストが出る水流とマイクロバブルが出る水流の2種類があり、切り替え具合を調節して、各水流に加え、混合水流も使える。サイエンスはファインバブルが出る入浴装置を手掛けてきたが、シャワーヘッドの販売は初めて。希望小売価格は3万8000円(税別)で、気軽にファインバブルを試したい人におすすめだ。

 ミストには、1立方センチメートル当たり約1400万個の気泡が含まれる。人間の毛穴は直径100~300マイクロメートルの大きさで、ここにファインバブルが入り込み、皮脂や汚れをかき出す。ミスト水流は、当たりが柔らかで直接顔に当てて汚れを落とすことができるほか、耳の後ろに当てれば加齢臭の予防も可能という。マイクロバブルが出る水流は、勢いがあるため、洗髪に適している。

 このほか、皮膚に入り込んだ気泡がはじけて交感神経を刺激するなどし、保温効果も得られる。同社の調べによると、使用直後の肌表面の温度は通常は上昇が0.8度であるのに対し、ミラブルでは2.9度まで上がった。また多くの気泡が含まれる分だけ水を節約でき、通常に比べ15~60%節水もできる。

 保温効果が高まれば免疫力が向上し、高い洗浄力によって皮膚を清潔に保てばアレルギーを予防したり、美しさを維持することも期待できる。サイエンスの青山恭明会長は「普段の生活習慣に少し何かを加えることで、健康で豊かな生活につながれば」としている。

 ミラブルは12月上旬時点で約5万8000本を販売。シティーホテルへの導入が進むほか、海外企業からも引き合いが来ている。予想を上回るペースで来年度は15万本の販売を目指す。

【会社概要】サイエンス

 ▽本社=大阪市淀川区西中島5-5-15 新大阪セントラルタワー南館6階

 ▽設立=2007年8月

 ▽資本金=3000万円

 ▽従業員=52人

 ▽事業内容=ファインバブルを発生させる入浴装置の製造販売

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