経営

会社バイアウト後のリアル エンジェル投資家になった私の事例~航海(2) (3/3ページ)

 そうしたお金より、初めて起業するときに、経験値のある水先案内人がいてくれると心強いわけです。エンジェルが後悔している経験を通じて失敗を未然に防いだり、逆に成功体験を応用して成長時間をショートカットすることが目的です。

 一方、VCは大企業などからお金を預かって投資するのが仕事ですから、大きい金額(数千万円~数十億円)を起業家に投資してくれます。

 起業家とエンジェルで事業をスピーディに立ち上げ(バリュエーション価値の向上)、VCが大きな金額を出資して事業が急拡大していくというのがスタートアップのライフサイクルです。

 まあ、私のエンジェル投資は、企業価値向上にコミットするのは当然として、感覚としては「応援させてくれるチケット」代を出しています。「応援していいチケットを持ってる(=ちょっと先輩としての経験値がある)から応援させてね」というファン感覚、“凡人エンジェル”なので「横から目線」で取り組んでいます。

 起業とは現代のチームスポーツ。スタートアップの楽しさを味わう

 さて、前回と今回の航海は、起業家・エンジェル投資家の私の事例でした。

 この世に生を授かったからには、納得度が高い人生を送りたいものです。私の場合はそれが「起業する」ということでした。

 私は、起業はお金を稼ぐだけではなく、チームスポーツみたいなものだと思っているので、基本的に楽しいのです。必然的に他のチーム(起業家)も応援したくなります。

 しかし、起業だけが最良の仕事のキャリアだとも思っていません。たまたま私や他の起業家の性格にはそれが合っていただけです。

 そう思うのは、ご縁があって大手通信会社グループに合流したことで、大企業の仕事の楽しさも知ることもできたからです。それはスタートアップとはまた違うものでした。

 次回「大企業とスタートアップの楽しさの違いって?~航海(3)」に続きます。

小原聖誉(おばら・まさしげ)
小原聖誉(おばら・まさしげ) 株式会社StartPoint代表取締役CEO
1977年生まれ。1999年より、スタートアップのキャリアをスタート。その後モバイルコンテンツコンサル会社を経て2013年35歳で起業。のべ400万人以上に利用されるアプリメディアを提供し、16年4月にKDDIグループmedibaにバイアウト。現在はエンジェル投資家として15社に出資し1社上場。
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【ビジネスパーソン大航海時代】は小原聖誉さんが多様な働き方が選択できる「大航海時代」に生きるビジネスパーソンを応援する連載コラムです。次回更新は1月16日の予定。

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