自動運転、世界で覇権争い激化 異業種含め提携加速 政府主導の中国脅威 (2/2ページ)

電気自動車に関する中国当局のデータ収集・監視センター=上海(AP)
電気自動車に関する中国当局のデータ収集・監視センター=上海(AP)【拡大】

 異業種融合で注目されるトヨタ自動車と携帯電話大手ソフトバンクは23年以降、次世代の自動運転車を使った移動サービスに乗り出す。商品を住宅地まで自動で運ぶ「移動コンビニ」などを想定。ホンダは米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)と自動運転分野でも協業を進める。

 日本自動車工業会(自工会)は20年の東京五輪・パラリンピックの開催直前に、羽田空港や東京の都心部での自動運転を実験する方針だ。

 業界内では、事故が起こった場合の責任に関して「議論が深まっていない」との声が出ている。これが研究開発の足かせとなる恐れもある。自工会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は自動運転の実用化に向け「ものすごく現実と法律のギャップがある」と指摘しており、法整備では安全が重要との考えだ。

 日米欧の戦略に影響

 一方、自動運転などの先端技術開発で世界トップを目指す中国では、習近平政権が社会の安定維持を理由に、AI(人工知能)やビッグデータを使った個人認証などの先端技術を活用した監視網を整備しており、これを使って収集した膨大な情報を電気自動車(EV)をはじめとする次世代車の開発に活用する動きをみせている。AP通信によると、中国政府は内外の自動車メーカーに、中国国内を走るEVの位置情報などリアルタイムデータの提供を求め、日産自動車や米テスラ、GM、フォルクスワーゲン(VW)など200社以上が要求に応じ提供しているという。

 先端技術を後押しする中国政府は、企業ごとに取り組むべきAIの開発分野を指定。検索大手の百度(バイドゥ)は自動運転、アリババは都市機能、テンセントは医療と役割分担して戦略的に集中投資しているとされる。米IT大手「GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)」の向こうを張って「BAT」と並び称されているこの3社の動きは、日米欧の大手自動車メーカーの戦略に大きな影響を与えそうだ。