仏、日産・ルノー統合を要求 大統領意向 持ち株会社案浮上、発言力強化狙う

2018年にパリモーターショーで話をするフランスのマクロン大統領(右)とカルロス・ゴーン被告。フランス政府はルノーにゴーン被告の交代を求めた(AP)
2018年にパリモーターショーで話をするフランスのマクロン大統領(右)とカルロス・ゴーン被告。フランス政府はルノーにゴーン被告の交代を求めた(AP)【拡大】

 フランス政府が自国の自動車大手ルノーと日産自動車の経営統合を日本政府に要求したことが20日、分かった。傘下に両社が入る持ち株会社をつくる案が浮上しているとみられる。自国経済の活性化に向け名門企業の経営を強化するのが狙いで、大株主として発言力を強める。会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産の前会長、カルロス・ゴーン被告の後任会長をルノーから出す意思も示したという。日産は経営の独自性を保つため、日本政府と協力し統合を阻む防衛策を急ぐ。

 日産とルノー、フランス政府の3者は、日産に対し不当な経営干渉をしないことで2015年に合意しており、抑止力となるかが注目される。日産はこれまでゴーン被告の不正追及に積極的に乗り出し、フランス政府内で高まる統合論を牽制(けんせい)してきたが、フランス政府の攻勢を受けた形だ。

 統合の提案はマクロン大統領の意向という。関係者によると、フランス政府代表として訪日したルノーのマルタン・ビアル取締役や、ルメール経済・財務相の側近らが、20日までに経済産業省に伝えた。日産の後任会長をめぐり、臨時株主総会を開くことも求めた。

 ルノーは近く、ゴーン被告の会長兼最高経営責任者(CEO)の職を解く予定で、後任者を通じて統合の議論を進める考えのようだ。

 フランス政府はルノー株を15%持つ筆頭株主だ。ルノーは日産に43.4%出資し、議決権を持っている。日産に上級役員を送り込む協定も結んでいる。日産は15%しかルノー株を持たず、立場が弱い。

 日産の西川(さいかわ)広人社長兼CEOは、ゴーン被告の失脚を機に不平等な関係を見直すことを示唆しており、フランス政府が焦りを募らせた可能性もある。統合の提案を受け、経産省は既に水面下で対応策を練り始めたもようだ。