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KDDI、カブドットコムに出資検討 最大1000億円、金融分野強化

 KDDI(au)がインターネット証券大手のカブドットコム証券への出資を検討していることが24日、分かった。最大1000億円規模を出資し、5割弱の出資比率とする方向で調整している。携帯電話を中心とした通信事業の成長が減速傾向となる中、スマートフォンを使った手軽で便利な金融サービスを新たな収益の柱に育成したい考えだ。

 関係者によると、カブドットコムを傘下に置く三菱UFJフィナンシャル・グループと出資比率などについて詰めの交渉を進めているとみられる。KDDIは株式公開買い付け(TOB)を通じ、株式を市場から取得するもようだ。

 カブドットコムは東京証券取引所第1部上場でネット証券で国内5位。KDDIは既にネット銀行やネット保険会社にも出資しており、銀行、保険、証券という主要金融サービスがそろうことになる。銀行や保険と同様、携帯電話利用者限定のお得な金融商品などを展開して新たな需要を開拓する。

 政府による携帯電話料金の引き下げ圧力や楽天の携帯電話事業参入を受け、通信事業を取り巻く環境は今後厳しさを増す。ソフトバンクやNTTドコモなど他の携帯大手もスマホと親和性の高い金融分野での収益基盤強化を推進している。

 KDDIは24日、「カブドットコム証券と金融事業においてさまざまな可能性を検討している」とのコメントを発表した。

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