【2019 成長への展望】集団指導体制で会社を守り、成長へ 日本電産・吉本浩之社長 (1/2ページ)


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 --就任から半年が経過した

 「集団指導体制に変えていっている最中で、順調に推移している。会長の永守重信CEO(最高経営責任者)は中長期的な戦略、M&A(企業の合併・買収)を担う。COO(最高執行責任者)である自分は足元の業績に責任を持っている。ほかに営業、技術、財務、業務管理にそれぞれの責任者がおり自分を含めた5人によるCOO会議を毎週開催している。緊急性のあるものをクイックかつオープンに議論をして、必要なものはCEOの決裁を得る形式だ。創業者の気持ちを理解し、集団指導体制で会社を守り成長していく」

 --承継はどのように行われているか

 「規模の大きな会社なので、ある一定の時間はかかるかと思う。オペレーションは任されているので自分たちでやっていく。M&Aのノウハウなどは実地にやりながら引き継いでいくものもあるだろう。自分は月の半分は海外出張。海外の買収した企業を周り、本社との一体化を進めている。会長がしていたことだが、『日本電産イズム』というべき幹となる部分は一切変えず経営する。その方針が彼らの腹に落ちるよう丁寧に説明しており、理解されればシナジー効果が出るのは早い」

 --人材育成の方針は

 「今まで当社はトップのリーダーシップで伸び、強力なオペレーションで支えてきた。これからは中間層を厚くしたい。社員たちが自主的に『こういう方向で行きたい』という気持ちを引き出すことを目指す」

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