【ブロックチェーン革命の胎動】ブロックチェーンは“人間の仕事”にどんな変化をもたらすのか (1/3ページ)

基調講演した野口悠紀雄氏
基調講演した野口悠紀雄氏【拡大】

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 アジアの会とフジサンケイビジネスアイが昨年11月29日に東京都中央区の会議場で開催した特別セミナー「ブロックチェーン革命で変わる世界と日本」は、仮想通貨の基盤技術として利用されるブロックチェーン技術が切り開く近未来の経済社会を浮き彫りにした。セミナーでは、ブロックチェーンとは何か、その本格活用はわれわれにどんな変化をもたらすのか、について専門家らが解説。80人の来場者らが理解を深めた。その一部を紹介する。(青山博美)

 信用の形変わり、中小にも好機 野口氏

 セミナーは三部構成。第一部の「基調講演」には、一橋大学名誉教授で早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問の野口悠紀雄氏が登壇した。野口氏は日本経済論やファイナンス理論の分野で著名な経済学者だが、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞出版社、2017年)や『仮想通貨革命で働き方が変わる』(ダイヤモンド社、2017年)などブロックチェーン関連の著書も多い。

 セミナーで野口氏は、実用例でもある「ビットコイン」を題材にブロックチェーンを紹介。データ改竄が事実上不可能な信頼性の高いデジタル技術であることを強調した。

 さらに、現行のコンピュータネットワークシステムでは主流となっている中央管理型と比較。中央で管理するサーバーやその管理主体を“王様”になぞらえ、ネット上の売買や決済などの際に「従来のシステムでは王様を信頼してきたが、ブロックチェーンになるとその必要はなくなり、システムに対する信頼で足るようになる」と説明した。

「トラストレス社会の実現」