曙ブレーキ、トヨタに支援打診 私的整理申請 米で受注減少響く

 東京証券取引所第1部に上場する自動車部品製造の曙ブレーキ工業は30日、私的整理の一種である「事業再生ADR」を第三者機関に申請、受理されたと発表した。取引銀行に借入金元本の返済を一時停止してもらうなどの支援を求める。また筆頭株主のトヨタ自動車に出資を打診したことも判明。事業を継続しながら経営再建を図る考えだ。

 既に主力銀行などに説明を始めている。米国で自動車メーカー向けの受注が減少し、資金繰りに行き詰まったのが主因とみられる。曙ブレーキは「一般の取引先には影響を及ぼさない」としている。

 曙ブレーキは1929年創業の独立系ブレーキメーカー。埼玉県や福島県、山形県などに生産拠点を持つ。2018年3月期の連結売上高は2649億円、最終利益は7億円だった。16年3月期には過大受注による生産の混乱などで最終損益が194億円の赤字になった。トヨタは18年9月末時点で、曙ブレーキ株を11.62%保有している。曙ブレーキは30日までに増資引き受けを求めたもようだ。

 一方、トヨタは「現時点で増資要請を受けたという事実はない」とのコメントを出した。