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鉄鋼輸出、5年連続で減少 18年4.2%減 堅調な内需優先 (1/2ページ)

 日本鉄鋼連盟が31日に発表した鉄鋼輸出実績概況によると、2018年の輸出量は前年比4.2%減の3653万トンとなった。減少は5年連続。鉄連の柿木厚司会長(JFEスチール社長)は同日の定例記者会見で、「内需が堅調な中、(生産トラブルもあり)日本の作る力が残念ながら追いついていない」と減少の要因を分析した。

 輸出先は、日系自動車メーカーが多く進出し、新車販売も好調だったタイ向けが5.2%増の587万トンとなり、9.5%減の539万トンだった韓国向けを抜いて初の首位となった。米国向けは19.6%減の150万トンと4年連続で減少した。柿木氏は米国向けについて、「(需要が堅調な国内を優先しているため)出し切れていない」と話し、米政府による鉄鋼輸入制限の影響ではないとした。

 一方、柿木氏は19年の粗鋼生産量について「私としては増加すると考えている」と述べ、1億432万トンだった18年を上回るとの見通しを示した。ただ、「米国の(保護主義的な)通商政策、米中貿易摩擦に伴う中国経済減速が非常に大きなキーになる」とも語り、状況次第で下振れする可能性にも言及した。

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