東京電力ホールディングス(HD)と中部電力が共同出資するJERA(東京)は4日、社長に中部電の小野田聡副社長(63)が4月1日付で就任する人事を発表した。中部電出身の垣見祐二社長は退任する。4月に東電と中部電の既存の国内火力発電事業をJERAが承継するのに合わせ、体制を一新する。
東京都内で記者会見した小野田氏はJERAの将来的な株式上場について「グローバルな企業として成長していく過程の中で、一つの選択肢としてこれから考えていきたい」と述べた。小野田氏は3月31日付で中部電副社長を退任する。
会長には東電HD傘下の東京電力フュエル&パワーの佐野敏弘会長(66)が就く。米国人のヘンドリック・ゴーデンカー会長は上級副社長として残る。
JERAは平成27年に設立され、東電と中部電の燃料関連の事業や既存の海外発電事業などを段階的に承継。4月の既存の国内火力発電事業の承継で、当初計画した統合は完了する。
会見で佐野氏は「国内で過半の(火力)発電能力、世界最大級の燃料取扱量を誇る企業体になる。こうした潜在能力を最大限生かしながら、成長戦略を実現していきたい」と語った。