【経済インサイド】日産連合にも…GM、トヨタ、VWを襲った1千万台のジンクス、何故なのか (1/3ページ)

中国・広州にある日産自動車の販売店。日産など3社でつくる企業連合の世界販売台数は合算で年1千万台を超えている=平成30年11月
中国・広州にある日産自動車の販売店。日産など3社でつくる企業連合の世界販売台数は合算で年1千万台を超えている=平成30年11月【拡大】

  • 三菱自動車との資本提携を説明するため、会見場に入る日産自動車のカルロス・ゴーン社長(当時、右)と三菱自動車の益子修会長(同、現会長兼CEO)=平成28年5月、横浜市(大西正純撮影)
  • 新型「クラウン」などを発表するトヨタ自動車の豊田章男社長。「もっといい車をつくろうよ」と社内に呼びかけ、販売台数を追求する姿勢とは一線を画した=平成30年6月、東京都江東区(宮川浩和撮影)
  • ホンダと自動運転分野で提携することを発表し、中継で会見する米ゼネラル・モーターズのメアリー・バーラCEO(右)。次世代技術の開発により、GMの優位性を取り戻した手腕が評価されている=平成30年10月

 米ゼネラル・モーターズ(GM)、トヨタ自動車、独フォルクスワーゲン(VW)…。世界販売台数が年1千万台規模のトップメーカーはこれまでに相次ぎ、経営危機や品質問題、不正発覚などで窮地に陥った。そして今般、日産自動車など3社でつくる企業連合のトップを務め、販売台数で世界首位をうかがっていたカルロス・ゴーン被告の事件が起きた。各社が抱えた問題は異なるが、巨大化のひずみなのか、“1千万台の呪い”とも言えるジンクスが繰り返された格好だ。

 3社で“世界首位”

 「アライアンス(企業連合)は2017年には世界第1位の自動車グループとなり、年間1千万台以上を生産している」。1月8日、東京地裁で開かれた勾留理由開示手続きで、ゴーン被告は自身の経営による成果を強調した。

 日産と仏ルノーの最高経営責任者(CEO)を兼務していたゴーン被告は16年、燃費不正問題を起こした三菱自動車と電撃的な資本提携をまとめ、3社連合を形成。17年は世界で約1060万台を販売し、トヨタを抜き、VWに次ぐ2位につけた。ゴーン被告は当時から、VWが手がける大型トラックを除いて比較し、3社連合が合算で世界首位だと主張しており、地裁での陳述でもその“独自基準”を披露したようだ。

 ゴーン被告の規模拡大への意欲はとどまることを知らず、3社連合は中期計画で、世界販売台数を22年に現在より約4割増の1400万台とする強気の目標をぶち上げていた。だが、今回の事件により、少なくともゴーン被告の指揮下で、この目標が達成される可能性はほぼなくなった。

巨大化が仇に?