ドローンとＵＧＶ（地上配送ロボット）による無人配送で提携するとことを発表する、楽天の安藤公二・常務執行役員（左）と京東集団の肖軍・副総裁＝２１日午後、東京都港区（松本健吾撮影）【拡大】
楽天は２１日、中国の電子商取引（ＥＣ）大手の京東集団と小型無人機ドローンや地上配送ロボット（ＵＧＶ）を活用した無人配送で提携したと発表した。楽天が国内で構築する無人配送システムに、中国で実績やノウハウが豊富な京東集団のドローンとＵＧＶを採用することで、早期のサービス実用化を狙う。
楽天が導入するドローンは最大積載量５キログラム、最長飛行距離は１６キロメートル。自律制御システム研究所と共同開発したこれまでの機体は最大積載量２キログラム、最長飛行距離は１０キロメートルで、今後はより多くの荷物を遠くまで配送できるようになる。
国内では実証実験段階のドローン配送だが、京東は中国内の８カ所で既に商用サービスを展開する。楽天は先行する京東の技術を取り込みたい考えで、システムの開発や運用人材の育成などでも協業する。
「ドローン配送のＥＣ事業への寄与は大きい」と楽天の安藤公二常務執行役員は期待をはせる。物流分野では人手不足が深刻化。楽天の平成３０年１２月期決算では国内ＥＣ事業は物流網の整備費用などがかさみ、３年連続で営業減益だった。
ドローン配送ができれば、消費者はＥＣサイトで購入した商品をいつでも短時間で受け取れ、トラック配送よりも物流費を圧縮することが可能になる。
