「これからもリュウグウしつこく攻略」JAXAチーム幹部会見

笑顔で会見に臨む宇宙科学研究所「はやぶさ2」プロジェクトチームの津田雄一プロジェクトマネージャ(左)と佐伯孝尚プロジェクトエンジニア=22日午前、神奈川県相模原市のJAXA相模原キャンパス(川口良介撮影)
笑顔で会見に臨む宇宙科学研究所「はやぶさ2」プロジェクトチームの津田雄一プロジェクトマネージャ(左)と佐伯孝尚プロジェクトエンジニア=22日午前、神奈川県相模原市のJAXA相模原キャンパス(川口良介撮影)【拡大】

  • 探査機はやぶさ2の小惑星りゅうぐうへの着陸成功を喜び、管制室で記念撮影するJAXA職員ら=22日午前9時ごろ、相模原市(JAXA提供)
  • 送信されてきた画像を説明する宇宙科学研究所「はやぶさ2」プロジェクトチームの津田雄一プロジェクトマネージャ=22日午前、神奈川県相模原市のJAXA相模原キャンパス(川口良介撮影)

 探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウへの着地に成功した22日、管制室のある相模原市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)でチーム幹部が会見。着地の場所が見つからず、4カ月延期した末の成功に、安堵の表情を浮かべた。

 責任者の津田雄一プロジェクトマネージャは「延期してご心配をかけたが、計画を万全にして臨んだ。想定の中ではベストの状態で思い通りの着陸ができた。チャレンジだったが、無理をしたつもりはない」と振り返った。

 延期はリュウグウの地表が岩石に覆われ、安全に着地できる広い場所が見当たらないためだった。そこでチームは狭い場所にも着地できるよう目印を投下して着地の誤差範囲を縮めるなど、工夫を重ねた。

 津田氏は「先代のはやぶさを超え、はやぶさ2が将来の探査に向けて残すべき技術を考え、高精度の着地を採用しようと考えた」と話した。

 作業を統括した佐伯孝尚(さいき・たかなお)助教は「今回の成功はチーム全体のしつこさが実った。訓練、観測、議論し非常に疲れたが、ほっとしている。これからも野心的なチームでリュウグウをしつこく攻略する」と気を引き締めた。

 はやぶさ2は7月までに、小惑星の地下の物質の採取にも挑戦する。成功すれば史上初だが、機体から分離した装置を爆発させて人工のクレーターを作るなど高度な作業を伴う。佐伯氏は「万全の準備を進めたい」と話した。