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4WDの聖地に“凱旋” スバル・フォレスターで山形の雪路を行く (3/4ページ)

SankeiBiz編集部

 タイトなコーナーとアップダウンの激しい雪道では、とにかく車速に気を付けた。とくに下り坂は気づかぬうちに速度が上がりやすく、急なブレーキはスタッドレスといえども制御が困難。ブレーキング時はグリップ力(路面をひっかく力)を失いやすいため、一度スキッドすれば雪壁に一直線だ。逆に、スピードの出し過ぎに注意し、カーブに入る前は十分に減速して、ハンドル操作と合わせて「アクセルを上手にコントロールしてトラクションを得ながらクルマの挙動を制御する」ことが肝心となる。限界を超えた走行はいかなる場面でも危険だが、AWD(常時四輪駆動)やスタッドレスタイヤといった雪道走行に必要な装備を揃えて、正しい知識を身につけ、基本に忠実な運転を心がけさえすれば誰でも安全に走ることができる。

 モーターとAWDは雪上でベストマッチ

 走り出しから低速域にかけてモーター走行するe-BOXERは、雪道で大きなメリットがあることも発見できた。とくに発進時はガソリン車と比較してトルクの立ち上がりが早いため、上り坂でもわずかなアクセル操作に対してクルマが素早く反応し、グイグイと気持ちよく走ることができる。低速走行が中心となる雪上走行時こそ、AWD性能を存分に生かすことができるのだ。また、AWDは前輪・後輪のグリップ量がアンバランスになることでスリップしやすくなることがある。とくに今回のように圧雪路、凍結路、積雪路、シャーベット、ウエット、ドライと様々なパターンが混在するケースはスタビリティーを失いやすいが、スバルのAWDは前輪のスリップ量を把握して制動トルクを後輪に配分することで、高い安定性と旋回性を実現している。

 実際、真っ白の屈曲路を走っていても全く不安はなかった。ハンドリングは非常に行儀よく、目立つようなスリップやアンダーステアもなかった。スピードにさえ気を付ければ轍も怖くない。状況に応じて時速20~50キロ以内で走行する限り、思いのままにクルマを操ることができるのだ。

 公道試乗の意義

 今回は公道を走ったが、刻々と変わる環境や路面コンディションの中を、日常生活を送る地元のドライバーたちと一緒に走る楽しさと難しさを体験することができた。これにはスバルの「クローズドコースでは味わえない日常を体験して、『安心と愉しさ』と『総合雪国性能』をぜひ体感してほしい」との思いが込められている。AWD開発の経験から常に「実路でどうあるべきか」を考えているそうだ。

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