試乗スケッチ

デジタル社会を象徴する“バーチャルスーパーカー” BMWi8ロードスター (1/3ページ)

木下隆之
木下隆之

 BMWのi8ロードスターに触れて走らせて意識したのは、デジタル社会の今を象徴する「バーチャルスーパーカー」というべき個性を秘めていることだった。新しいスーパースポーツの創造と、まんねりからの脱出が入り混じる。旧式からの潔い割り切りと開き直りで開発されたことが強く感じられたのだ。(レーシングドライバー/自動車評論家 木下隆之)

 というのは、その駆け抜ける姿を見れば誰もが世界最高のレーシングモデルを想像するほどアグレッジブなのに、これから紹介するスペックはことごとく印象を裏切るものだからだ。まるでバーチャルであるかのよう。それでいてたしかに現実である。

 1.5リッターターボ?

 エンジンはドライバーズシートの背後、つまりミッドシップに搭載される。そこまでは想像のとおり。だが、搭載するエンジンが1.5リッター直噴ターボだと聞けば、一瞬耳を疑うに違いない。しかもそのエンジンは直列3気筒1.5リッターターボ。そのキーワードだけを耳にしたら東南アジア仕様の大衆車と見紛うばかりのスペックなのだ。

 ただし、似非スーパーカーではまったくないのは、期待を裏切らない動力性能を秘めていることだ。動力はハイブリッドで武装。33Ahのリチウムイオンバッテリーを搭載し、143psの電気モーターと組み合わせている。エンジン単体の出力が231ps。システム出力は374psに達する。大衆車ではとうていあり得ない強力なパワーを秘めている。

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