【遊技産業の視点 Weekly View】


【拡大】

 □ホールマーケティングコンサルタントLOGOSプロジェクト上級研究員・岸本正一

 ■連れパチに最適な「ペアシート」復活を

 パチンコプレーヤーが「パチンコを始めたきっかけ」は、「家族や知人に誘われて」という回答が常に上位にランキングされていることが知られている。ファンを増やすという悲願の成就に向けては、「誘われて」「連れ添って」という来店スタイルに業界が大きな期待を寄せているのは間違いない。たとえば、先般開催された「みんなのパチンコフェス」も「連れパチ」がテーマとなっていた。確かに、新しい趣味を始める際に、誰もが身近な「先輩」や「友人」から、ルールや面白さ、より深い楽しみ方などについて手ほどきを受けるのが王道だろう。

 その昔、全国のパチンコホールが外観や内装の豪華さを競っていた時代に、「ペアシート」なるものがいくつかのホールに存在していたのをご存じだろうか。カップルでの遊技を前提としたようなハート形の背もたれを用意したホールもあるが、大半はシンプルなソファ型の座席だったと記憶している。やや、プライベートな空間を演出するために、隣席と距離を空けたり、パーテーションを設けたりするホールもあった。

 当時は、ホールの稼働率が現在よりも明らかに高かったため、「ペアシート」はどちらかというとホールのサービス精神を表現するためのものであり、そこに収益面で大きな期待を寄せているとは考えにくかった。普通に座席を用意する方がメリットのあった時代なので、サービス的意味合いの「ペアシート」は時間の経過とともに姿を消しはじめ、現在では超大型店でもほとんど見かけることが無くなった。

 しかしながら、「ペアシート」のような「連れパチ」をしやすい設備、あるいは「連れパチ」を面白くする工夫が現在、再び重要になってきているのは明らかだ。過去に大成功を納めなかったという理由だけで、「ペアシート」というパチンコの変則的な楽しみ方を封印しておくのはあまりにも惜しい気がする。

 いまこそ、パチンコ・パチスロという遊びの場に「ペアシート」という“連れパチアイテム”を復活させ、このスタイルを定着させる努力が必要だと感じている。それは、私一人ではないはずだ。

【プロフィル】岸本正一

 きしもと・しょういち 1963年生まれ。元SEの経験を生かし、遊技場の集客メカニズムを論理的に整理・研究する傍ら、全国のパチンコホールを対象にコンサルティングを行う。雑誌への連載やテキストの出版、セミナーでの講演なども手掛ける。オベーション代表。