CLOなどリスク対応力に重点 日銀の31年度考査方針

 日銀は19日、平成31年度の金融機関に対する考査の実施方針を発表した。人口減少や低金利が長期化する中、地銀を中心に中長期的な収益力を把握し、評価する。低格付け企業への融資を証券化したローン担保証券(CLO)へ投資する邦銀が急増していることも考慮。景気悪化で大きな影響を受ける懸念も高まっており、経済や金融面のショックなどのリスクへの対応力を重点的に点検する。

 海外業務やグループ横断的な事業の拡大に対応したガバナンス体制が構築されているかを調査するほか、取引先の倒産に備えて積み立てる貸倒引当金などの信用コストが増加していることから、適切な償却ができているかもチェックする。

 また、ITを活用した新たな金融サービスの拡大が加速する中、サイバー攻撃やマネーロンダリング(資金洗浄)への対応が強化されているか調べる。